知っておくだけで負けないトレーダーになれる「エリオット波動」とは?

「エリオット波動・・」株やFXに触れたことがある人なら一度は聞いたことがあると思います。
ですが「波動」という宗教チックな言葉をきいて、怪しさを感じる人も少なくないと思います。実際はエリオット波動というものは全く怪しいものではありません。
むしろ私が相場の世界で勝てるようになったきっかけもエリオット波動を知ったことが大きいです。
0.そもそもエリオット波動とは?
エリオット波動を全く知らない人のため簡単に説明しておくと、
相場の世界というものは、数えきれない多くの人が売買を繰り返すことで変動をしています。
その売買の結果がチャートとして現れるわけですが、ここには多くの人が関わっているからこそ、人間の群集心理としてその動きがある一定の規則的な動きをするのではないか?と考えたものがエリオット波動です。
ラルフ・ネルソン・エリオットが株式投資のテクニカル理論として提唱したのが始まりです。
初めは株式投資向けに提唱されたものですが、群集心理がはたらき、かつチャートを描くものなら何にでも応用できるものになっています。
基本原理は、「相場には上昇の5つの波と下降の3つの波によって構成されている」というものです。

このように1,2,3,4,5を上昇波、A、B、Cを下降波とするのが一般となっています。
これは人間の群集心理が働けば働くほどこの形に近づいていきます。
黄金比とも関連があり、1波から5波までの水平距離と、A波からC波までの水平距離は、おおよそ1.618:1になると言われています。
更にエリオット波動は、それぞれの波動の長さが決まっています。
チャートの波形、それぞれの長さ、1サイクルの距離、、、
これがすべて分かってしまうのがエリオット波動です。
もちろん全てがぴったり型通りにはまることは少ないですが、これを知っているか知らないかで大きく相場の理解度が変わることはわかってもらえると思います。
私はこのエリオット波動を知ってから、急激に勝てるようになりました。
嘘じゃありません。それだけ重要な知識なので早いうちに自分のものにし使いこなせるようになりましょう。
1.推進波と修正波
エリオット波動を理解するうえで最も重要なのはこの推進波と修正波の存在です。
先ほどエリオット波動の1サイクルは、1波から5波が上昇波、A波からC波が下降波であるのが基本だとお話しました。
この上昇波が推進波であり、下降波が修正波です。
「なんで2つも呼び方があるんだよ」と思う方もいると思います。
本質は同じなのですが少し違いがあるため呼び方を変えているのです。
詳しく説明しますと、まず1波と2波に注目してもらいます。
実はこの1波と2波も時間足を下げてみてみると、小さなエリオット波動になっていて、1波の中に小さな1,2,3,4,5波があり、2波の中に小さなA、B、C波があるのです。
これをフラクタル構造と呼んでいて、エリオット波動は実はマトリョーシカのように小さなエリオット波動が大きなエリオット波動を作っているのです。
この大きなエリオット波動では1から5波を上昇波とし、AからC波を下降波と見た時の1,3,5,Bは推進波になり、2,4,A,C波は修正波という事になります。
このようにいくつものエリオット波動がつながってチャートは形成されていく為、より分かりやすくするために呼び方を使い分けているのです。

1.1.推進波の種類
推進波の中にはさらに種類があります。
大きく分けて「衝撃波」「ダイアゴナルトライアングル」「延長型」の3種類に分けられています。
もっとも一般的で出現頻度が高いのが、衝撃波です。
「衝撃波」は、1波の頂点と4波の最下点が重ならず3波が一番長くなるというもので、最も勢いのあるチャートパターンになります。
このパターンは一番きれいな形で、出現すると上手く立ち回ることで利益が出しやすいパターンと言えます。
次に「ダイアゴナルトライアングル」ですが、これはエンディング型とリーディング型の2種類があり、上昇ウェッジ型に進んでいく波のことを指します。
エンディングダイアゴナルトライアングルは、5波に一番出現しやすく、5波までの勢いがありすぎた時などに調整の意味合いで出現することが多い形で、1波の頂点と4波の最下点が重なるor下回る形をとります。
1から5波までの上昇波が、全て3つの波(イナズマのような形)を持った推進波×3、修正波×2(3-3-3-3-3)で構成されるという特徴があります。
リーディングダイアゴナルトライアングルは、1波やA波で一番出現しやすいパターンで、5つの波ー3つの波ー5つの波ー3つの波ー5つの波(5-3-5-3-5)というフォーメーションを取ります。これはトレンド継続の意味合いがあります。
最後に「延長型」について説明します。
延長(エクステンション)とも呼ぶのですが、このパターンが存在することで、エリオット波動のように見えないチャートの形でも、エリオット波動とみることが出来きてしまう素晴らしい要素だと思っています。
これがあることによってどんなチャート(相場状況)でもエリオット波動に例外がなくなってしまうのです。
延長というのは4種類あり、「1波延長型」「3波延長型」「5波延長型」「延長したものが分からない」となります。
基本的に延長は1つのエリオット波動のサイクルの中に一度しか起こりません。
そして一番出現しやすいのは3波だと言われていて、小さな衝撃波の形をとって発生することが多いです。
1つのエリオット波動の中で、どこかが乱れてしまったときに調整の意味合いで発生するのが延長で、群集心理が黄金比に戻ろうとする動きであるとも言えます。
正直にいって、これを初めから見抜くのは難しいと思いますが、なんどもチャートを見ていくうちに徐々に見えてくるようになるので諦めずに頑張って練習してみましょう。
1.2.修正波の種類
推進波と同様に、修正波の中にも種類があります。
大きく分けて「ジグザグ型」「フラット型」「水平トライアングル」「複合型」の4つに分けることができます。
まずはジグザグ型(呼び方は何でもいいです)ですが、これは2,4,A,C波のどこにも出現しやすいパターンになります。
修正を行う(上昇トレンドならば一旦下落すること)なかで、5つの波ー3つの波ー5つの波というフォーメーションをとるのがジグザグ型の特徴です。

これだけでは落ち足りなかったときは、一度3つの波を挟んでもう1サイクルする場合もあります。
次にフラット型です。
これは衝撃波の4波に出現することが多いパターンになります。2波ではほとんど見られません。
波の構成は、3つの波-3つの波-5つの波というフォーメーションをとり、水平かつ平行のラインで反発するような波形になります。(必ずしも平行ラインに収まるとは限らないことに注意)

これが2サイクル連続することもあり、その場合はレンジに見えることが多いです。
次は水平トライアングルです。
水平トライアングルのパターンは4種類で、「上が水平」「下が水平」「水平にに収束」「水平に拡大」となります。
またこのパターンのフォーメーションは、3つの波-3つの波-3つの波-3つの波-3つの波となります。
このパターンが完成した後は、赤の矢印の方向に入口の値幅と同じだけ伸びていきます。入口以上の値幅になる場合は、延長(エクステンション)になることが多いです。

最後に複合型です。
これはジグザグ、フラット、水平トライアングルのいずれかが合体した形になります。
1つ注意が必要なのが、つながる際に、ジグザグー3つの波-フラットというようにパターンとパターンの間に3つの波を挟むという点です。
この複合型が出現した場合は、多くの人がレンジ入りしたと考えるような波形になっていることがほとんどです。
2.それぞれの波の性質
【第1波】それまでのトレンドの戻しのようにも見えていて、この後まだ下落すると考えている投資家も多いポイントです。
ですがテクニカル分析をしっかりすると、上昇のサインも含んでいることがあります。ですが大きく伸びていくことはほとんどありません。
【第2波】第1波を下落トレンドの戻しと考えている人と、トレンド転換するのではないかと考えている人がいるポイントです。
このポイントでは想像よりも下落が進まずに底堅い印象が強くなってきます。
第1波の始点を割り込むことは絶対にありません。
この第2波からは値幅がある程度予測できるようになります。
また別で紹介しますがフィボナッチ数というもの(黄金比と類似しているもの)に沿って値幅を予測していきます。
それによると、第2波は第1波の約0.5~0.618倍の長さになるとおおよそ決まっています。
【第3波】ここにはテクニカル的にみて強いサインが多く出現してきます。
上昇波のなかで最も勢いが強く、最も長く延長(エクステンション)します。
値幅はおおよそ、第1波の1.618、2、2.618、3倍のどれかになります。(少ないですが、相場の状況によっては3倍以上伸びていくこともあります)
【第4波】第2波がキレイな形になっている場合、ここが乱れることがかなりあります。
フラット型や複合型があらわれレンジになることもしばしばあります。
値幅はおおよそここまでの合計の値幅の0.382倍以内に収まることが多いです。(かなりここは誤差が出るので注意が必要になります。)
【第5波】第3波を超える勢いはないのが特徴です。
初心者の人が第3波の上昇をみて、ここから更に噴き上げることを期待してしまう多いポイントです。
ですがエリオット波動としてはここでトレンド転換していくというのがセオリーになるので、期待しているほど伸びてくれないことがほとんどになります。
値幅は第1波と同じぐらいか少し長くなるぐらいと考えておくべきです。
【A波】これまでの上昇トレンドの押し目と思われやすいポイントになりますが、ここからは下落トレンドへシフトしてく為、天井の壁が厚いと感じるサインが多く出現して来ます。
値幅はこれまでの合計値幅の0.618倍を目安にしますが、かなり前後することがあるので低リスクを意識したいところです。
【B波】ここでもいまだに上昇トレンドが継続すると考えている人もいます。
ですがもうすでにA波で下落トレンドに転換しているため、上昇の勢いはかなり弱いものになります。
値幅はA波の半分前後と考えておけばいいです。
【C波】いよいよ下落の本番という事でかなり強い下落が起こることが多いです。
B波で上昇と読んでいた人たちを飲み込むように下落していきます。
このC波は延長しD波E波と続くこともしばしばある為、値幅は一概にはいえません。テクニカル分析から読み取っていくしかありません。
3.まとめ
いかがだったでしょうか?エリオット波動と一口にいっても人によって解釈はさまざまで、自分なりのエリオット波動というものを確立することが最終目標になってきます。
今回は私自身が特に意識しているエリオット波動のポイントに的をしぼって重要なところだけを可能な限り簡潔にまとめたつもりです。
エリオット波動のみで勝っていくことは難しいですが、勝つためには頭に入れておくべきものなのは間違いありません。
私自身このエリオット波動に出会ってから、相場で迷子になることが格段に減って勝っていけるようになりました。
皆さんもぜひこのエリオット波動を上手に使って勝てるトレーダーを目指しましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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